相変らずゲームのネタを書き続け、はや3回目。今回はここ数年に流行ったゲーム、特にアーケード業界で一大ブームを起こした「格闘ゲーム」と「音楽ゲーム」について語っていきたいと思います。
まずは「格闘ゲーム」、通称「格ゲー」から。
「格ゲー」の歴史は意外に古く、まだファミコンが登場する前からアーケード(昔は駄菓子屋や喫茶店など)に存在していました。当時のアーケードゲームでは今の様に美麗なグラフィックやサウンドを出す事は不可能で、また特殊な筐体を出す事もあまりない時代。従って見た目よりもゲームの内容そのものの面白さが問われる時代なため、生き残るためにはより洗練されたものを創らなければいけませんでした。そのため、当時のゲームは完成度が高いものが多く、中でも「格ゲー」の完成度の高さは一際目立つ存在と言えました。
そして時は流れ1990年代。アーケード業界に「対戦格闘」という一大ジャンルが誕生します。特にその火付け役となった作品(立場上名前は伏せさせていただきます)は、アーケードにのみ留まらず、コンシューマでも大ブームを巻き起こしました。コンシューマで大ヒットした作品は数多くありますが、その発端がアーケードゲームから、と言うのは極めて珍しいケースだと言えます。
その後は各メーカーから様々なタイトルが登場し、現在でもゲーセンに行けば何かしらの「格ゲー」が見れる、と言うほどに普及しています。
次に「音楽ゲーム」、通称「音ゲー」について。
「音ゲー」は音楽やそのリズムを利用しゲーム性を加えたもので、最近では音楽に合わせてボタンを叩くものが多いですが、一時期PCなどにあった音楽そのものを作曲するというものもある意味「音ゲー」であると言えます(ゲームではなくツールかもしれませんが)。そういう観点から見ると「音ゲー」の歴史も意外に古いものと言えます。
そもそもゲームにとって音楽は非常に密接な関係があり、20年くらい昔のゲームにおいても音というものは存在していました。そのため、その「音」をテーマにしたゲームが登場しても特に不思議ではありません。要はその演出をどうするか、という事になります。
最近では実際の楽器をテーマにした「音ゲー」がはやっています。
実際、良く考えてみると何かを叩くと音が出る(ピアノでいう鍵盤など)のが打楽器の基本であり、音の出る「何か」をゲームのコントローラーボタンに割り当ててしまえば、ゲーム機を利用して楽器と同じように演奏する事が可能です。後はゲームとして成り立たせるためにどのような演出を付け足すか、という事になります。
こうして様々なアイデアが生まれ「音ゲー」が登場し、これまたアーケード業界にブームを巻き起こすこととなります。
ところが「格ゲー」と大きく異なる点は、アーケード業界における大型筐体ものをブームにした、という事です。それまでの大型筐体と言えば車や飛行機などの「レースゲーム」や景品をゲットする「プライズマシン」あたりが中心となっていた部門ですが、それらにはテーブル筐体にはない独自の面白さがありました。無論「音ゲー」にもこういった面白さは存在します。その結果、大型筐体がブームになる=ゲーセンにおいて大幅なスペースを食う=規模の小さなゲーセンが苦戦する、と言う現象を起こしました。
さて、これまで「格闘ゲーム」と「音楽ゲーム」について内容を述べてきましたが、その内容こそ全く異なるものの、その実状を見ると実は非常に似ているものがあります。以下にそれらを挙げます
1.一回のゲーム時間が短い
「格ゲー(特に対戦時)」においても「音ゲー」においても一回のプレイ時間は他のアクションゲームやシューティングと比べると短いです。
(最も対戦の場合は対戦相手に勝ちつづけるほどうまければ1コインで長時間のプレイも可能ですが・・・)
2.高速化
これは一概に全てそうだ、とは言えませんが、「格ゲー」「音ゲー」共にデビュー当時よりも現在の方がゲームスピードが速くなっているものが多いです。
特に最近では、そのスピードを調節できる機能もついていたりして、高速モードで楽しむという別の遊び方をする人も増えてきています。
3.難易度の向上
そして一番重要な要素がこの「難易度設定」であると言えます。
ゲームの難易度をどのように設定するかはゲームそのものを楽しくもつまらなくもすることが出来るほど重要なファクターです。
「格ゲー」においては、ブームを巻き起こした当初は難易度が高いものが多く、雑誌や口コミ等で攻略方法を編み出すのが流行った時期がありました。そのおかげでわりと早い時期から様々な攻略法が発見され、ある程度の知識があればオールクリアも難しくはない、という感じになりました。
そうなると、メーカーとしては「次はもう少し難易度の高いものを」を言う気を持ち、新たな作品を売り出します。そしてこの繰り返しによって徐々に難易度が高まり、次第にかなりの知識者、かなりの強者でなければエンディングまで辿り着けない、という状況になってしまいました。
「音ゲー」においても同様のことが言え、ブーム当初のものは、何回か練習して慣れればクリア可能、といった程度のレベルが多かったのですが、次回作が登場する度に難易度が高められ、次第に限られた人間によるゲームという認識が生まれていきました。
現在において、「格ゲー」好きだよ、「音ゲー」良くやるよ、という人がどれくらいいるのかは定かではありませんが、
「昔は良く格ゲーやってたよ。でも最近のは難しくてねぇ」
「昨年はゲーセンで音ゲーやったりしたけど最近のはマニアックでついていけないよ」
と言う人が増えてしまっているような気がしてなりません。
先程も述べましたが、ゲームは難易度次第で生かすのも殺すのも簡単に出来てしまいます。「皆が慣れてきた=難易度を高くする」という図式は確かに間違ってないかもしれません。しかし、一大ブームを巻き起こしたこれらのゲーム群を難易度設定による客離れだけで下火にしてしまうのは非常に惜しいと思います。
また一方で、ユーザー側も「どうせ難しいから」という理由でプレイもせずに批判している人が増えてきてはいないでしょうか?やりもせずにただ単に周りの意見だけでけなしたり批判したりしてないでしょうか?
ゲーム業界全体のレベルがここまできたからこそ、ゲームに対する考えをメーカー側もユーザー側も改めて一考し、お互いがゲームに対する認識を広め、皆が楽しめるようなソフトが今後いっぱい登場して来るようになったらいいな、と思います。
(ってちょっと綺麗事&偉そうな事言い過ぎ!?)