「ここではだね、同じ場所にとどまるだけで、もう必死で走らなきゃいけないんだよ。そしてどっかよそに行くつもりなら、せめてその倍の速さで走らないとね!」
(『鏡の国のアリス』ルイス・キャロル)
教訓に富んだ言葉だとは思わないか?
コンピューターの世界では、時間が速く進む。私がC言語を使い始めた頃(約10年前)、メモリーは多くても1~2MBだった。今は256MBが普通だ。CPUの処理速度も、当時は80386-20MHzで、現在はPentiumIII-800MHzだ。クロックだけ比較して40倍、拡張命令やパイプラインなどの効果を考えると、数百倍の速度になっている。
このような世界では、落ちこぼれにならないようにするだけでも大変だ。昔は絶対に不可能だったプログラムが、今では普通に動かせるようになる。昔はポリゴンを使った3D-CGに「テクスチャを貼る」ことさえ不可能だったが、今ではテクスチャを貼ることは3Dの基本中の基本になっている。
10年間で性能が100倍になるということは。
10年前、時速300kmのマシンを操るF1ドライバーがいたとしよう (M・シューマッハー、M・ハッキネン、D・クルサードあたり)。
彼が今も現役でいるためには、時速30000km = マッハ24 のマシンで走れなければならない。
すると、昔は考えられないような問題を乗り越えなければならない。Gによるブラックアウト、遷音速での振動、造波抗力、極音速の摩擦熱など。現実的ではない例えだが。
落ちこぼれない = 同じ場所にとどまるだけでも、必死で技術を身につけないといけない。
さらに上を目指すなら、せめてその倍の速さで技術を身につけないといけない。
でも一日は24時間ある。8時間仕事して、8時間睡眠をとったとしても、あと8時間残っている。倍の速さで走ることは、不可能ではない。
で、それを実行したアフォが、ここにひとり。
「他に食べる方法を知らんからさ。だから未だに嫁さんももらえん」
(『機動戦士Ζガンダム』)
↑それはロリコンのアニオタだからでは? というツッコミは、なしの方向で(泣)