「ハナ」
さて、この言葉を聞いて何が心に浮かんだであろうか。
花を思い浮かべる人は心の清い人。
鼻を思い浮かべる人は普通の人。
馬のゴールする瞬間を思い浮かべる人はダメ人間である。
GWで各地の観光地が賑わう5月4日。
普通の人ならば、やれUSJや、やれ海遊館や、などに行って疲れて帰ってくるものだ。
さて、一方私はというと新聞を片手に京阪電車なんどに乗っていた。
むろん新聞は競馬新聞、目的地は淀。
完全にダメ人間である。
この日、天皇賞当日ということもあり、8万を超すダメ人間が淀競馬場に訪れたという。
ダメ親父、ダメ兄貴、ダメ学生、ダメカップル。
ダメ親父に馬券を買ってもらって喜んでるダメ児童なんかもいたぞ。
そうだ、それでいいんだ。
日本の未来は、きっと明るい。
さて、そんな混雑した競馬場。
パドックで真剣に馬と向き合っていると、すぐ後ろの方からこんな会話が聞こえてきた。
「あのxx番の馬は、ちょっとイレこんでるな」
「イレこむって、何なの?」
「チャカチャカしてるだろう。体力を使っちゃって、レースで力を出せないんだよ」
「えー、そうなんだ~。すご~い」
キャーキャーイチャイチャ。
聞いてるうちに、何かもう腹立ってきて。
丸めた新聞でシバいたろかと。
睨みつける感じでパっと後ろをみた・・・んですけど。
そこにいたのは、チンピラというか・・・もう完全にヤ○ザ・・・。
あ・・・あかん、あかんで。
咄嗟に「もう僕はパドックを見終わりましたよ」感を全身で醸し出しながら、その場をササササっと後にした私は情けない人間だと思う。
「あー!、あっついなぁー」なんて意味なく苦言を呈して、暑いからこんな顔になってるんですよってアピールしたりしてね。
ちなみに天皇賞は、昨年王者のフェノーメノが連覇を達成し、本命に推したホッコーブレーヴはクビ・ハナの差の3着という結果に終わりましたという。
まぁ、それだけのお話。