アジアカップで何時の間にか強くなっていた日本は殆ど苦労せず優勝をさらってしまいました。他国の状況を考えると、まあ致し方ないかなとも思えるのですが、苦労しないで済むのは多分今の内でしょう。
アジアカップ開催中対戦相手の情報を見ていると、見た事のある名前が目に付きました。ボラ・ミルチノビッチ氏。今年春から中国の監督を勤めている人物ですが、過去4大会連続で率いた国をW杯決勝トーナメントに導いている名将です。メキシコやアメリカなどB級クラスの代表監督を勤めるあたり日本の監督と良く似ていますが、実績で云った場合ボラの方が上でしょう。もう半年でも長く中国監督を勤めていたら、あの国のサッカーの土壌もそれなりにあるだけに、アジアカップでももっと緊張感のある試合が見られたのではないかと思います。
そしてお隣韓国では、それだけが理由と云うわけでもないのですがアジアカップで日本が優勝してしまったので監督が更迭されました。後任の監督については98年W杯でフランスを優勝に導いたエメ・ジャッヶ氏の名前もあったのですが、つい先日同大会で4位に終わったオランダの監督を勤めたフ-ス・ヒディング氏に決定しました。B級国の監督をするのは今回が初めてだと思いますが、十分に意欲を見せている様です。もし監督が上手くフィットした場合、韓国の当りの強さ、走力を思えばオランダ風のシステマティックなサッカーに大化けする可能性は十分にあると思います。
ボラにヒディング。東アジアはどうもトルシエが成功したおかげで外国人監督へ鞍替えする流れになってきたようです。しかし、いかに名将と呼ばれる人でも短期間で終わってしまってはその能力も発揮できません。両氏にはそれぞれの国で2002年までと云わず長期政権を期待したい。韓国、中国が強くなっていく事で、同じ東アジアの国として日本も負けていられなくなるはず。交流戦を多数設けて相互のレベルアップが計れれば、日本としては苦労、苦戦は多くはなるでしょうが、より上質なサッカーが身近で見られる様にもなるでしょう。